緑の葉が色づき、やがて風に舞う季節になると、古道の雰囲気もいい感じになってきます。
枯葉を踏みつつ、山肌の色合いなどをカメラに収めながら歩いていくと、様々な自然の姿を見つけることでしょう。道の変化、風向きの違い、風に吹かれて樹々が擦れ合う音、動物の気配なども気づくようになると、普段の生活では得られない楽しさに魅了されます。
里山の楽しみ方は様々ですが、こちら山形県よりも宮城県の人はそれらをご存じの方が多いように感じます。
つい先日も、作業の合間に桐ベンチで昼食の準備をしていると「ガンガンガンッ!!」と、設置した熊缶を叩く音が聞こえてきました。
座頭峠かな?やがてソロの男性が降りてきました。
互いに挨拶し、話を聞いてみると、仙山線で楯山駅で降りた、と言いました。
ん?なぜ楯山?
(お通り沢の高瀬でなく、その先の楯山で降車ですか…はて?)
男性の話では、先に【大岡山】に登り、高瀬の【いのは山】も登り、お通り沢に来たのだと。
いいっすね~!さすがです!心の底からうらやましく感じました。
登った道を戻るよりも、その先の地域へ進んでいく。それが里山を楽しむ方法の一つですし、お通り沢を整備するうえでも外せない項目でした。
昼食は山寺に着いてからとおっしゃるので、つい「芭蕉茶屋がいいですよ!」と言ってしまいました。
高瀬駅だけでなく、山寺駅も楯山駅も歩いてつないで歩けば、もっと広がりを感じるでしょう。
面白山高原駅まで展開したら、あぁ、なんて贅沢な!(笑)
当初に比べると古道らしさが表れてきたお通り沢、整備も少しづつ修正しながら進めますが、相変わらず歩きやすさを追及することはありません。
時には不便を言われるかもしれませんが、大きな資金を投入すると、その後は止まってしまいます。
整備にかかる人数x資金は最低限に抑えていかに継続するか、これに尽きます。
樹々を伐採することには抵抗を感じるし、標識に頼らず踏み跡を注意深く見ながら歩く力は登山でも役立ちますしね。
報告が遅くなりましたが、7月末の大雨で崩落した高瀬側の林道は、完全修復されました。
さすがにこれは個人の力ではどうにもならなかったので、地域(+α)の力を頼りました。ありがとうございます!
最後に、つる草(葛とかいろいろ)が絡みつき、その後救出した柿の木に実がつき色づきました。
ちなみに、この柿の木と座頭峠に熊除けに一斗缶を設置しましたので、遠慮なく叩いてから先へ進んでください(今年はクマ目撃情報も多く、念のためです)
今年は雪が多くなるのでしょうか?
スノートレッキングも楽しめるお通り沢、これからも楽しみが続きます。
山寺郷土研究会 原田忠幸
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