新緑ハイキングと試練

新しいシーズンの始まりです。

倒木整理もようやく終盤になり、残雪も残りわずかになる頃、雪解けのあとから出てくる植生に彩られはじめました。

早春の花としてフクジュソウ・ニリンソウ・カタクリぐらいしかお通り沢では確認できませんが、ひいき目もあってふだんは草花にレンズを向けない私でさえも撮ってしまう(汗)

でもやはり、私はアケビの新芽など食べられるものに目が釘付けになる。


昨年秋、お通り沢座頭峠の高瀬寄り側にて熊棚を多く見かけました(クヌギが多い場所があります)
以前はほとんど気配を感じなかったのですが、ブナ不作が影響していたのでしょう。一斗缶の底を抜いたもので熊除け道具を急いで設置しました。

今年はさらに山寺側にも追加設置です。
木々の向こうには北面白山が覗いていました。葉が出てくるころには見えなくなりますね。

吊り下げられそうな枝などを探していると、峠方向から降りてきた1人の男性と逢いました。

山野草・山菜の話から倒木の話題になり、杉林でなく雑木林を通るように付け替えたらどうか?との提案もいただきました。ごもっともの意見です。

杉は雪害に弱いです。雑木林の葉は落ちるから大雪でも枝が折れる程度で済みますが、放射状に伸びた杉の葉はフサフサと雪を受け止めるものだから、重さに耐えられず幹で折れてしまう。折れなくても花粉は飛ばすし、絶えず枝を落とすはで、ろくなもんじゃない。まったく。
付け替えてしまえば、倒木に悩まされることは激減するでしょうね。

その場では言いませんでしたが、もし付け替えるとなると、主旨がまったく違うものになってしまうのです。円仁が通ってきたと伝わる道だからこそ、後世に残すべきと思い立ったのが私と花輪のスタート地点ですので、可能な限りそのルートは変えず、道を埋もれさせてはならねえ!と覚悟を決めて進めてきました。
新規に道を開削するのでなく、古来より残っていた道(さくばみち)を整備するのであればと、高瀬と山寺の人たちに了解していただいているわけなので、付け替えることは心情的にもできないのです。
何より、先人が畑仕事や炭焼などで行き交った道、地形に対し不都合なことは少なく身体に無理強いするような急な坂などもありません。。。

これからのシーズンは新緑の中で鳥のさえずりを聞き、山桜の花が散る様を見ながらのんびり休憩もいいでしょう。桐のベンチで食事やお茶なども楽しめます。
頂上に登ってしまうと山の姿は見えません。遠くからその形を見て楽しむというのも、なかなか面白いものです。

で、ここから下の情報は小声で。

他の古道整備を計画しています。
どこまでやれるのか未知数ですが、少なくとも道型が見える程度にはしておこうと思う。
でも、当面の間、公にすることはありません。
最上三十三観音を知っている方は「もしや?」と、察しがつくかな~。

そしてそこも詳しい標識・看板設置などはしません(予算もないので)
過去に設置された標柱は熊にガジガジ噛まれボロッボロです。
それにも関わらず歩く人がおります。
しかも各々が独特の目印(テープやロープなど)を残していくので、あやふやになっているところも多くあり、ある意味危険な状態でした。
たいていはヤブ道と化しているため、以前の道を知っていても道迷いする危険性があります。

整備後は新規にテープも併用します。
その古道は、お通り沢の約3倍の距離、体力と装備に余裕を持たないと歩けません。
動物(特に熊)と遭遇する確率も格段に上がりますので、初心者には厳しいでしょう。

けれど、見識と経験を持っている人にはたまらなく楽しい山行が可能になるはず。

続報に期待されたし。

山寺郷土研究会
原田

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